できる事とできない事をしっかりと把握する

ヘルパーの仕事内容は、「生活援助」と「身体介護」の2つに分類されます。生活援助とは日常的な家事を支援するもので、掃除や洗濯、調理などが含まれます。身体介護とは直接利用者の体に触れる食事や入浴、排泄の介助などが含まれます。この2つは、必要に応じて組み合わせても提供されます。ただし、提供される時間は個別に定まっています。

具体的にどのような内容かは、利用者本人や家族の要望を確認したうえでケアプランを作成し、訪問介護事業所との打ち合わせで決められます。実際の現場では、本人や家族からヘルパーに寄せられる要望は、この2つに分類されることばかりではありません。「話相手がほしい」「二人で散歩に出かけたい」といった要望には、原則として応じることができないことになっています。

買い物の代行もケアプランに記載されている範囲でしか行うことはできません。例えば調理の支援が必要の場合は、材料を本人の代わりに買いに行くことは問題ありません。買い物ついでに郵便を出してほしい、銀行で出金してきてほしいといった要望は原則としてできないことになっています。また、感謝の気持ちとして現金や商品券を渡したいと考える利用者もいます。そういう場合であってもヘルパーは断らなければなりません。一緒にお菓子を食べながら時間を過ごすといったことも原則としてできないことになっています。国が定めた公的制度である以上、公平な立場を維持しなければならないからです。

さらに、利用者はヘルパーを指名することはできません。利用者が改善を求める場合には介護事業所に相談をして、解決法を考えてもらう必要があります。このようにヘルパーといっても、できる事とできない事が決まっています。そのあたりをしっかりと把握しつつ、ヘルパーとしてできる範囲でしっかりと仕事をこなすことが大切だと言えるでしょう。